比重分離とは比重の異なる水と油が 2 つに分かれる原理の様に、比重差を利用し分離する方法。
溶液が持つ比重よりも重い物質が混合されている場合、比重差により沈降するため分離する事が出来ます。(湿式)
比重選別や重液分離、沈降分離ともいわれる。
それでは実際に当社が製造・販売しております樹脂製研磨材の比重分離(湿式)をご覧ください。
(これは MIL 規格、MIL-DTL-85891B の 4.8.7 項にある製品に含まれる重い粒子の測定に準じております)
※MIL 規格=米国国防総省が制定した米国の軍事物質調達に関する規格
比較対象として当社製品の他に海外製品の合計 2 種類を用意し、分液ロートにそれぞれ同量の研磨材を入れております。(※研磨材の粒径など条件は全て同じです)
今回は MIL 規格にある比重 1.62 の溶液を使用し、製品の品質を確認します。
これにより比重 1.62 より重い規格外の研磨材や金属や鉱物などの異物が混入していた場合、分液ロートに沈降するので不良製品の発見に繋がります。
つまり使用している研磨材はユリア樹脂ですので「比重 1.47~1.52」、全ての研磨材が規格の範囲に収まっている場合、1 粒も分液ロートに沈降しないと言う事になります。
さて結果はどうなのでしょうか?
上記写真の様に規格外品や異物が混入していた場合は、一目で確認する事が出来ます。
海外製品の研磨材が分液ロートの中央付近に浮遊しているのは、溶液と同じ 1.62 の粒子であると推測できることから様々な比重(1.53 より重い)の規格外の樹脂研磨材や異物が混入していることとなります。
たった数グラムの異物の混入くらいと思うかもしれませんが、その数グラムの混入で製品に重大なワークダメージをもたらす可能性が非常に高いのです。
写真はアクリル板にブラスト(投射)した写真です。
樹脂の種類が違うので硬さも多少違いますが、同じ熱硬化性樹脂で比重差は 0.2~0.3 ほど
しかしアクリル板ではこれだけの差がでます。
仮に写真右の「ポリエクストラ(比重 1.15~1.25)」に、写真左の「ポリプラス(比重 1.47~1.52)」が混入した場合、混入量が多くなるにつれアクリル板が切削されていくので、反射している蛍光灯が消え、板の下にある「USTFE」の文字が見えなくなっていきます。
樹脂の違いだけでここまで差ができますので、
金属など更に硬い物質が混入した場合は致命的なダメージに繋がります。
如何に規格外の物や異物の混入がない、高品質な研磨材が重要であるとお分かり頂けたかと思います。
当社ではこの重い粒子の測定方法を「重比重成分検査」と呼んでおり、逆に軽い粒子の測定方法は「軽比重成分検査」と呼んでおります。
この様に徹底した品質管理の元、当社基準を満たした高品質な研磨材のみを出荷させて頂いている事から、各方面のお客様から高い評価を頂いております。
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